子どもの虫歯はうつる?同じスプーンを使ったときの考え方と予防のポイント

「子どもと同じスプーンを使ってしまった」「虫歯を防ぐために、家族で食器を分けたほうがいいの?」

お子さまの歯を大切に思うからこそ、気になりますよね。福岡市東区千早、香椎宮前駅から徒歩1分のチロル歯科です。

まずお伝えしたいのは、同じスプーンを使っただけで、虫歯になると決まるわけではないということです。今回は、食器の共有についての学会の考え方と、おうちで続けられる虫歯予防のポイントをご紹介します。

「細菌が移る」と「虫歯になる」は同じではありません

だ液などを通して、お口の細菌が人から人へ移ることはあります。ただし、細菌が移っただけで、必ず虫歯になるわけではありません。

虫歯は、歯垢(しこう。歯の表面につく細菌のかたまり)の中の細菌が、糖分から酸をつくり、その酸で歯の成分が溶け出すこと(脱灰)から始まります。一方で、だ液には、溶け出した成分を歯に戻す働き(再石灰化)があります。

この「溶ける」と「戻る」のバランスが崩れ、溶ける状態が続くと、虫歯が進んでいきます。そのため虫歯予防では、磨き残し・甘いものをとる回数・フッ素の使い方など、毎日の習慣に目を向けることが大切です。[1・4]

同じスプーンを使ってしまったら?

一度スプーンを共有したことだけで、ご自身を責めたり、心配しすぎたりする必要はありません。

日本口腔衛生学会は2023年に、食器の共有を避けることで虫歯を予防できるという科学的根拠は、必ずしも強いものではないという見解を示しています。親子のふれあいの中では、食器を使い始める前から、お口の細菌が子どもに伝わっていることも分かってきています。[1]

ただし、これは「食器から細菌は移らない」という意味ではありません。日本小児歯科学会も、食器やスプーンの共有が細菌が伝わる原因の一つになっている可能性は否定できないとしています。食器の共有を積極的におすすめするものでもありません。[2]

大切なのは、食器を分けるかどうかだけに気を取られず、毎日続けられる予防に取り組むことです。

おうちでできる虫歯予防

1.毎日の仕上げみがき

お子さまが自分で歯をみがいていても、汚れが十分に落ちていないことがあります。保護者の方が仕上げみがきをして、磨き残しを減らしましょう。

汚れが残りやすい場所や、みがき方のコツは、お口の状態によって異なります。「嫌がってみがかせてくれない」「きちんとみがけているか分からない」というときも、歯科医院にご相談ください。

2.年齢に合ったフッ素入り歯みがき粉

フッ素(フッ化物)は、歯から溶け出した成分が戻る「再石灰化」を助け、虫歯予防に役立つことが多くの研究で確かめられています。[1・3]

4学会合同の推奨(2023年)では、フッ素入り歯みがき粉の量と濃度の目安は次のとおりです。いずれも、就寝前を含めて1日2回の歯みがきが推奨されています。[3]

  • 歯が生えてから2歳:量は米粒程度(1〜2mm程度)。フッ素濃度は1000ppmF(日本の製品をふまえ900〜1000ppmF)。ごく少量を使い、歯みがきのあとにティッシュなどで軽く拭き取ってもかまいません。
  • 3〜5歳:量はグリーンピース程度(5mm程度)。フッ素濃度は1000ppmF(日本の製品をふまえ900〜1000ppmF)。歯みがきのあとは軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回だけにします。
  • 6歳以上:量は歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)。フッ素濃度は1500ppmF(日本の製品をふまえ1400〜1500ppmF)。歯みがきのあとは軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回だけにします。

お子さまが適切な量をつけられないうちは、保護者の方が歯みがき粉を出してあげてください。歯みがき粉は、お子さまの手が届かない所に保管し、チューブごと口に入れるなどして大量に飲み込まないよう気をつけましょう。[3]

なお、フッ素で、歯にあいた穴が元に戻るわけではありません。ごく初期の虫歯でも、状態の確認や経過をみることが必要です。選び方や使い方に迷うときは、お気軽にご相談ください。

3.甘いものは「量」と「回数」を意識する

おやつは時間と量を決め、だらだらと食べ続けないようにしましょう。お菓子だけでなく、ジュースやスポーツドリンクなど糖分を含む飲み物を、少しずつ長い時間飲み続ける習慣にも注意が必要です。

「食べたあとに歯をみがけば、何度食べても大丈夫」というわけではありません。歯みがきとあわせて、食べ方・飲み方も整えていくことが大切です。[1・4]

保護者の方ご自身のお口のケアも大切に

日本小児歯科学会は、食器を共有しないことだけでなく、保護者の方がきちんと歯科健診を受け、虫歯や歯周病のないお口を保ちながら子育てをすることが、お子さまの虫歯予防にも大切だとしています。[2]

お子さまのケアとあわせて、ご自身の歯みがきや定期的な歯科健診も続けていきましょう。

お子さまに合った予防を、一緒に考えましょう

虫歯予防は、食器を分けるかどうかだけで決まるものではありません。仕上げみがき、フッ素の活用、食習慣を組み合わせて、お子さまの成長やお口の状態に合ったケアを続けていきましょう。

千早・香椎周辺で、お子さまの虫歯や歯みがきについて気になることがある方は、どうぞお気軽にチロル歯科へご相談ください。お子さまの診療については、小児歯科のページでご案内しています。

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参考資料

  1. 日本口腔衛生学会「乳幼児期における親との食器共有について」(2023年8月) https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/statement/file/statement_20230901.pdf
  2. 日本小児歯科学会「乳幼児期における親との食器共有について」(2023年12月) https://www.jspd.or.jp/recommendation/article24/
  3. 日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会(4学会合同)「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」(2023年1月) https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/
  4. 日本歯科医師会 テーマパーク8020「むし歯」 https://www.jda.or.jp/park/trouble/index02.html
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